有給はとりやすい?

有給が取りにくいと言われる介護職。実際のところはどうなのでしょうか。調査しました。

もくじ

介護職の有給について

厚生労働省の調査によると、「医療・福祉」の仕事についている人の有休取得率は52.5%。産業の総計49.4%と比較するとやや上ということがわかります。

引用元:厚生労働省:「平成29年就労条件総合調査」[PDF]

有給が取りづらいと
言われる理由は?

産業全体より有給消化率が高いにもかかわらず、有給が取りづらいと言われているのはなぜでしょう。その大きな理由は「人手不足」で、「有給を取ると、他の職員に迷惑がかかってしまう気がする」という遠慮が、有給を取らない理由のひとつのようです。

本来、有給休暇というものは、自由に取得できる個人の権利です。ただし、職場の状況と同僚への配慮も求められるのもまた事実ですので、難しいところです。

人手不足で休みにくいのは現場の介護職員の責任ではない

人手不足が原因で、有給休暇を自由に取得できないと感じているなら、それは介護施設の運営者側に問題があります。

介護職員が一人休むことで業務を十分に回せない状況では、もし病気や事故、離職などで職員が複数人欠けた場合、施設が機能しないはず。それは他でもなく、施設側のリスクに対する認識不十分が原因です。

ただ有給休暇を無理に消化することで、人間関係に亀裂が入り、施設での居心地が悪くなって辞めざるを得ない状況になる恐れも。働いている職場で有給の取得が難しいと感じたら、取得しやすい介護施設へ転職することをおすすめします。

有給休暇は自己都合で取りにくい

有給休暇を消化することは、労働者にとって当然の権利です。ただ施設によっては、有給休暇を取りにくいケースもあります。

中には、「有給休暇の取得は気軽に行うものではない」との方針を掲げている施設もあるようです。周りの介護職員が有給をとっていない状況で、自分だけ取得するのも気が引けるでしょう。

また、退職前や病気などの場合に限って有給を消化できるという、オリジナルルールを設けている施設もあるようです。

有給を取得したとしても、罪悪感や後ろめたさが残るような施設では、その後も継続して働くことは難しいといえます。不満・不安を感じたら、スタッフの有給取得に積極的な介護施設を探してみるのも良いでしょう。

有給休暇の存在を知らない

介護職員として働く人の中には、有給休暇の仕組みをよく理解していない方もいらっしゃいます。パートの介護職員の場合で特に多いのが、自分の有給休暇の存在を知らなかったという例です。

労働基準法・第39条では、6ヶ月以上継続して働いている者に対して、有給休暇を付与することが義務付けられています。本来であれば、施設側が介護職員に有給休暇の有無を伝えるべきですが、何も伝えないまま月日が経ち、知らぬ間に有給休暇の取得期限が過ぎていたというケースも。

このような事態を避けるためにも、パートや契約社員など正規雇用以外の方は、自分の有給休暇の有無について、総務担当者や上司に確認することが必要です。

施設側にある権利は「時季変更権」のみ

有給休暇の取得について、法令では労働者が取得を希望する日に、雇用する側は有給休暇を取得させなければならないと定めています。

つまり、そもそも有給休暇を取得するかどうかについては、雇用する側に判断する権利はありません。

雇用する側に唯一与えられている権利は、「時季変更権」です。

この「時季変更権」は、介護職員が希望した日に有給を取得されると施設側の運営が著しく損なわれると予想される場合、労働者に希望の取得日を変更するよう依頼できるというもの。

例えば、同じ日に複数の介護職員が休暇を希望していて、それ以上の職員に休まれると通常の業務に差し障りが出る場合は、「時季変更権」を利用できます。単に人手が足りないことを理由に「時季変更権」を行使することはできないのです。

有給を消化しやすい環境とは?

有給をしっかり取り、自分のプライベートな時間を確保するということは、生活の質などを上げ、仕事へのモチベーションを上げることにも繋がるはずです。有給を取ることは権利のひとつ、決して悪いことではありません。

理由を聞かれる場合もあるかもしれませんが、本来ならば休暇の理由を企業側に言う必要はないのです。みんな忙しくしているのに、自分だけが休みを取ると言うことに罪悪感を抱く人もいるかもしれませんが、我慢ばかりしていると、働きにくい職場と感じるようになってしまうかもしれません。

また、介護業界といっても環境はそれぞれ。有給を取りやすいような職場を見極めることも必要でしょう。運営が適切に行なわれ、深刻な人手不足に悩んでいるような環境でなければ、有給も取得可能なはずです。

とはいえ、シフト制などの職場で直前に有給を申請するのは迷惑になるので前もって言うようにしたり、気をつけたりすることも必要。有給を取りやすい雰囲気や日頃から良い人間関係をつくっておくということも忘れないようにしましょう。

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有給休暇取得の義務化

2019年4月から、有給休暇取得の義務化がスタートします。この制度の施行により、「有給はあるけれども、実際には取りにくい」といった現状を打開できる可能性が出てきました。

有給休暇取得の義務化の具体的内容

2018年6月29日、テレビや新聞をにぎわせた「働き方改革関連法」が成立。これに基づいて2019年4月1日より、従業員による有給休暇の取得が、企業の義務として課されます。以前から、有給の「付与」は企業の義務でしたが、今回の改正法から、有給の「取得」が義務となる、ということです。

具体的には、改正労働基準法第39条第7項・第8項として、有給の取得義務化を追加。それぞれの項を分かりやすくまとめれば以下のとおりです。

  • 年間10日以上の有給を持つ従業員に対し、企業は、有給を付与したときから1年以内に、時期を指定したうえで5日の有給を取得させること。
  • 上記において、企業が5日を超える有給を取得させる場合には、企業による時期の指定は不要となる。

以上の法令に基づき、企業には「年次有給休暇管理簿」の作成も義務として課されます。 なお、これら法令を遵守しない企業は、労働基準法第39条違反として、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処されます。

有給休暇取得義務化の対象は10日以上の年休付与者

2019年4月から施行された「有給休暇取得義務化」の対象となるのは、10日以上の年次有給休暇を付与されている方になります。事業所から年休を与えられた場合、あるいは自ら有給休暇を取得した場合、どちらの場合でも有給休暇を付与された日から1年以内に5日の年休取得が可能です。

有給取得の時季指定とは

介護職の現場でよく聞かれるのが「有給休暇を取得したいと思っていても、人手不足や職場の雰囲気などが気になり、なかなか申し出にくい」という問題。このようなケースに対応するべく講じられているのが、時季指定です。2019年の労働基準法の改正に伴い、介護職員自ら希望の日にちを伝えるだけでなく、事業者側から有給取得希望日をヒアリングする必要があります。これまでは「言いにくい」という雰囲気で申出ができなかった方でも、希望日が相談しやすくなることが期待されています。

有給休暇の取得例

有給休暇の取得のタイミングはさまざまですが、10日以上の年休を付与された労働者は、必ず年に5日の有給休暇を取得できるようになりました。有給休暇を自ら5日以上取得した場合や、5日以上の計画年休を与えられている場合、自ら取得した有給休暇と計画年休を足して5日以上が満たされている場合は、5日以上の年休を消化しているとみなされるため、時季指定の対象となりません。

年休を2日取得していた場合、残りの3日は時季指定

10日以上の年休が付与された日から一定期間が経過した時点で、自ら年休を2日取得しており、事業者へ請求していない場合は、時季指定によって事業者側から残りの期間内に3日の年休を取得するよう指示されます。

事業者側から年休が3日与えられた場合、残りの2日は時季指定

10日以上の年次有給休暇が付与された日から一定期間が経過した時点で、事業者側から3日年休を与えられており、労働者から請求がない場合、期間内に残り2日の年休を取得するように時季指定で事業者側から指示されます。

有給休暇を1日も取得していない場合、時季指定で5日取得

年休を10日以上付与された日から一定期間が経過しても、年休を1日も取得していない場合、事業者側が時季指定を行い期間内に有給休暇を5日取得するよう指示されます。

有給休暇の付与条件は6ヶ月継続勤務と出勤日数8割以上

原則として、雇用日から6ヶ月継続して雇われていることと、全労働日の8割以上の出勤日数をクリアしている場合に、10日の年次有給休暇が付与されます。パートやアルバイトなど労働日数が少ない場合は、1週間の労働日数と1年間の所定労働日数、勤続年数の3点からみて、付与日数が決められます。「有給休暇取得義務化」の対象となるためには、週4日勤務の場合で3年6ヶ月の継続勤務が必要です。

元気村の有給取得率は?

元気村で働く職員の有給取得率は、55%です。エクスペディア・ジャパンが実施している2018年度版「有給休暇国際比較調査」によると、日本の有給休暇取得率は50%。介護職以外も含め、日本の平均値と比較しても元気村の取得率がやや高いことがわかります。

元気村グループ(翔裕園)の有給事情は?

サイト監修社会福祉法人
元気村グループ(翔裕園)
1時間単位でも有給を使えるように
神成裕介
神成裕介
(理事長)

施設の人材状況によっては取りづらいときもあるかもしれませんが、基本的にとれないことはございません。また、1時間単位でも有給を使えるようにするなどのトライアルを実施、プライベートと両立できるよう制度の見直しを進めております。 元気村グループ(翔裕園)について
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