介護職員実務者研修
このページでは、プロとして介護業務を実践するためのスキルを学ぶ介護職員実務者研修について、修了のメリットや受験資格・難易度、なにができるようになるかなどを紹介します。
介護職員実務者研修とは
国家資格である介護福祉士の受験資格として、3年以上の実務経験と6ヶ月以上の実務者研修修了がひとつのルートとなっているなど、介護職員実務者研修は介護業界におけるキャリアアップの重要なステップといえるでしょう。
以前のホームヘルパー1級相当の資格ともいわれますが、近年の状況を考慮すると、介護福祉士受験資格のハードルが上がっていることもあり、介護職員実務者研修はより高いスキルが求められるようになってもいます。
なお、研修内容は介護福祉士養成校の2年以上のカリキュラムに相当する内容といわれています。現場での実務経験も大切ですが、最新の介護保険サービスをフォローアップする知識や、最新の介護技術習得や現状課題の理解など幅広いスキルを身につけることが目標となります。
介護職員実務者研修を修了するメリット
介護職員実務者研修を修了するメリットとは?2,000人超の職員を抱える社会福祉法人元気村グループの理事長・神成裕介氏に聞いてみました。
元気村グループ(翔裕園)

(理事長)
初任者研修の修了後から、実務のなかで得た経験が実際に一定レベルを満たせているのかを確認するひとつのラインとして自身の成長を実感する機会としても良いですし、その後の介護福祉士の資格を取得するためにも必須のものです。ぜひ挑戦していただきたいと考えています。
私たちは介護福祉士の資格を、できる限り多くの仲間にとってもらいたいと考えています。それは介護のプロフェッショナル集団でありたいという思いからです。
元気村グループ(翔裕園)について
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介護職員実務者研修の修了でなにができる?
介護職員実務者研修を修了することで広がる仕事の領域は主に以下のような点です。
- 現場で学んだスキルにプラスして、より高度で理論に基づいた介護の知識や技術を習得することになります。認知症に関する深い知識を得る機会にもなるでしょう。
- 訪問介護施設のサービス提供責任者というポジションに就くためには、介護福祉士もしくは介護職員実務者研修が有利。介護施設の経営に近い職務へのステップアップに役立ちます。
- 介護職員実務者研修の修了者は喀痰吸引等研修(第二号研修)にあたって基本研修が免除され、実地研修のみに。条件付きですが、たん吸引や経管栄養も対応できるようになります。
介護職員実務者研修の受験資格
介護職員実務者研修には受験資格というものが設定されていません。
試験内容は介護や認知症、障害などに関する450時間の講習を受けることですが、介護職員初任者研修を修了していれば、このうち130時間が免除となります。
実際に講習を受けるとして、介護施設で勤務しながらとなるのが一般的で、短期というよりは数年かけて履修することになるでしょう。そのため、近隣での受講や通信教育を利用するなど、受講しやすい方法も用意されています。
介護職員実務者研修試験の難易度
介護職員実務者研修は、研修実施機関による修了判定で取得の可否が決まります。統一された基準があるわけではなく、スクールごとのルールに沿って合格点を目指すわけです。
よくあるのは、座学では課題提出、実技は個別試験。1回で合格できなくても、課題の再提出や実技の追試などによってフォローしてくれるケースが多いようです。
介護職員実務者研修を修了した
元気村グループ(翔裕園)の職員の声

利用者さん一人ひとりをもっと見るようになった
気持ちが変わりましたね。もっと1人ひとりを見ようって。その人のケアプランを見て、なんのためにここにきているのかを考えながら仕事をするようになりました。